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教育って難しい。
2006/11/20 19:14
先週の金曜日に、ある小学校の授業に学生スタッフとして参加してきました。

もしかしたら公表したらダメかもしれないので詳しくは書きませんが(※註1)、経済産業省の主導で、将来のNEETを減らそうとかいう目標のもと、全国でも有数のモデル校として名高い(?)この小学校での「ものづくり」プロジェクトに参加しました。

※ 註1
おそらく明日にこのプロジェクトの公開授業が行われるので、そんな極秘プロジェクトではないはず…。



学生スタッフの基本的な役割は、子供たちが自由に議論しながらモノを作っていくのを支援するというもので、全体のバランスを考え、子供たちが議論しやすい空気を作り、間違った方向に進もうとしたりするのを止める感じですかね。



というわけで、私は4人班を1つ担当しました。
この班はデザインまで出来ていて、あとは実際に作っていこうという段階でした。
積極的に議論に絡んでいったスタッフもいるみたいですが、私は基本的には何も言わず、やりたいようにやってもらおうかなというスタンスでいきました。

最初デザインを見たときに、きっと致命的な欠陥があるように思えたので、それに気付かせるために何度か「こういう時ってどうなる?」とかいうアドバイスは何度か出しましたが、それ以外は子供らにお任せです。

とりあえず作ってみないとわからない、ということで試作品作りをします。
しかし1つ作れば問題が1つ浮上。それを解決すれば、また問題が浮上。
そんなことの繰り返しですが、それに対して何も言わずとも解決策を模索できていた子供たちは、とても頼もしかったと思います。


しかし結局は致命的な問題に気付いたところで授業時間が終わりました。
もしかしたら最初から積極的に議論に介入していけば良かったのかも?と少し後悔はしましたが、それではあの問題解決のための試行錯誤という行為がなされなかったかもしれないので、これはこれで良かったのかも?というところです。



方法論は別として、こういう体験を小学校のときに行うのは、なかなか良いことかな、というのが率直な感想。これでNEETが減るかどうかはわかりませんがwww



+++ 学生スタッフとしてこの小学校の生徒さんに接してみて思ったこと。 +++

まず朝にこの小学校に一歩足を踏み入れた感想。
すげぇ綺麗。ここが市立の普通の小学校とは思えません。
まさしく「モデル校」であって、他の小学校には真似できそうにありません。



下足箱の隣の壁には、普通「絆」とか「みんな仲良く」とかそんなんが書いてそうなものなのに、この学校は違いました。

「コミュニティ・スクールの創造」
「数学的リテラシーの育成」
「科学的リテラシーの育成」

すでに意味が分かりません。
情報リテラシーなら知ってますが、数学的リテラシー(※註1)ってなに?
大学生でもわかんねーんだから、子供に何かを伝えようという気がゼロです。


※ 註1 -------------------------
数学的リテラシー
「数学が世界で果たす役割を見つけ、理解し、現在及び将来の個人の生活、職業生活、友人や家族や親族との社会生活、建設的で関心を持った思慮深い市民としての生活において確実な数学的根拠にもとづき判断を行い、数学に携わる能力」
・・・のようです。数学的思考ができるように、ってこと?
-------------------------------



そして廊下を歩いていると、廊下を歩いている生徒さんたち一人一人が、私たち学生スタッフに対して「こんにちは」と挨拶をしてきます。それがとても不自然。
『学校を訪れてきた大人の方には挨拶をしましょう。』と先生に指導されているのでしょうか。自然に出ているのではなく、言わされている感全開です。


そして一番違和感のあったことが、授業の感想でした。
今回の授業が終わったときに、先生が「手伝っていただいた学生さんに感想のある人!」とか言って、感想を(半ば強制的に)言わせていました。

10人くらいの生徒が発言したのですが、みんな口を揃えて
「大学生の方にアドバイスを頂いて、作業を進めることができ、ありがとうございました」と言うのです。
発言の細部は異なれど、全ての子が「アドバイス・上手く作業が進んだ・ありがとうございました」という単語を使っているのです。まさに模範的な回答です。

この感想に対しては率直に思った。

キモチワルイ。

まさに「こういう風な感想を先生が求めている」というのが子供たちもわかっているようで、きっと日ごろからそれを植えつけられているのでしょう。
そして先生方も、そんな感想にとても満足げでした。



この「壁の標語」「廊下での挨拶」「画一的な模範回答」を見るに、ここの小学校は、良い意味でも悪い意味でも『モデル校』なんだなと思いました。

文部科学省のお偉いさん方が考える「理想の子供はかくあるべきである」という理想の子供像をまさに植えつけられた子供たちがそこにいました。


普段、普通の子と接している自分としては、ここまで「小利口」にまとまった子達を目の前にすると、果たして自分が親なら、この小学校に入れたいかと言われれば、少し迷うかもしれません。。。

「ちゃんと挨拶のできる子を」だとか「お世話になった大学生の方にちゃんと御礼を言える」とか、教育方針としては全く正しいんです。それは間違いありません。
でも将来自分の子供の授業参観に行ったときに、こんな感想ばかりが出たとしたら、きっとその時も「キモチワルイ」って感想だろうなぁと思ってしまいます。

「腕白でもいい、たくましく育って欲しい。」
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コメント
の頃って、割と価値観を刷り込みやすいから、
「優等生」を効率よく製造するにはいいんじゃないでしょうか。
その環境下で「天才」は育たなさそうだけど。
人殺しが増えるよりはいい。
【2006/11/20 20:22】  WEBLINK [ URL ] NAME [ pe084 ] EDIT
真面目だー。ありえん(爆)

日本人(?)はまわりと同じであることで安心する生き物のようだし、逆に浮いてると叩かれるから、あまり目立って反抗することができないような感じなのかも。
社会の歯車を「生産」するのにはいいかもしれないけどいい指導者みたいなのは育たなさげ…。

人は人、自分は自分。他人なんて知らん、みたいな考えはダメですか、そうですかorz
【2006/11/20 23:30】  WEBLINK [ ] NAME [ k ] EDIT
はねっかえりな子が抑圧されて殺されてしまいそうな気がするんよね。
「モデル校」であって、他の学校の先生やら文部科学省の役人やらがよく見学に来るから、そのときにはねかえり者がいたらまずいと思って、先生方は全力で押さえ込もうとしている気がする。

・・・っと、小学校の頃はねっかえり者だった俺が言ってみる
(今もはねかえり?orz)
【2006/11/21 08:40】  WEBLINK [ URL ] NAME [ dt ] EDIT
ホントにトラックバックされてる~(笑)
ありがとうございました☆

小学校の頃、私は「優等生」でしたが、周りには「はねっかえり」がいましたねぇ。
それでも誰も学校を休まなかったあたり、生存域があったのでしょう。
【2006/11/23 12:11】  WEBLINK [ ] NAME [ macha ] EDIT
小利口か。今後、世渡りのうまい小賢しいタイプになるなら一つのモデルだろうけど、どっちかっていうと知能「犯」になりそうな雰囲気。このイベントが子供にとって学校の「堅苦しさからの息抜き」になっていないことを願う。
【2006/11/25 01:01】  WEBLINK [ ] NAME [ rin ] EDIT
優等生もはねっかえりも、のびのびとできるような教育環境がイイ。はねっかえり部分を全てそぎ落としてまで優等生にしてほしくないところです。

表ではちゃんとして、裏では・・・みたいな小賢しいタイプもいやだし、知能犯もヤだなぁ。

なんか、後輩が当の生徒と話していたときに、「あの授業、おもんないー」とか言ってたようで。
【2006/11/27 16:45】  WEBLINK [ URL ] NAME [ dt ] EDIT
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